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1992年2月1日

自然との融合



1992年2月1日 産業情報やまなし21

自然との融合

富士特殊コンクリート工業(株)
日本ナチュロック(株)
専務取締役 佐藤俊明氏

―主力製品“ナチュロック”の需要が急伸中とか。
ナチュロックはナチュラルなブロックナチュラルなブロックを略称したもので、コンクリートブロックの表面に天然石をはめ込んだ自然景観の保護に配慮したコンクリート積みブロックです。石は御影石、河原の玉石など種類、形状を問いません。溶岩を使えばコケを生やすことも可能。また、その地域特産の石なら自然にマッチする。河川、道路、公園、宅地造成などの築堤、土木、造園工事材料として評価をいただいている。平成2年度の受注量15万個が、今年度は25万個、来年度見込みは35万個と10万個ずつ増える状況にあります。
―開発のキッカケは。
富士山の土砂崩れを防ぐブロック造りに際して、その景観美を損なわない方法はないかと、ブロックの表面を溶岩で覆ったことが契機なんです。もっとも、6年前に開発した、この製法をもとに、営業を始めたころは、コンクリートだけのブロックに比べ、耐久性・対候性は変わりませんが、割高なこともあって手応えは少なかった。ところが、最近の景観保護、環境美化の高まりを背景に、多くの方に使っていただけるようになりました。
―どんな製法で。
小さな石、板状を含め当然、石の存在を立たせ、しかもコンクリートからはがれないようにするのが技術的なミソ。北海道から沖縄までの全国23社に製造技術の供与を行い、営業ノウハウの指導も行っています。
―需要急伸で生産体制の方は。
当初は親会社である富士特殊コンクリート工業の忍野工場でつくっていましたが、昨年、専用工場を西桂町に建設。これにともない、年産能力は55万個にアップ。従って、当面、生産面での心配はありません。営業面の人手不足と施工現場に製品を運ぶトラックの手配が思うようにいかず苦労してます。また、ナチュロックを積み重ねた施工後のカラー景観が事前に想像できるコンピューターによるシミュレーションシステムを導入しました。手書きによる予想完成図と異なり、時間が大幅に短縮される上、リアルです。
―今後の基本方針を。
関東一円での拡販に力を入れますが、まずは地元の山梨を先行。このため、各自治体に積極的に顔を出し、理解を求めたいと思います。それと技術供与先23社が参加した全国ナチュロック会の設立総会を富士山の近くで開きたいですね。