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1992年11月2日

天然石コンクリブロックで化粧直し


1992年11月2日 日刊工業新聞

天然石コンクリブロックで化粧直し
増水被害の西湖の護岸

・・・91年夏から秋にかけて来襲した台風と長雨による増水で、大きな被害を受けた富士五湖のうち、最も損害を被った西湖の護岸改修工事を終え、“化粧直し”でみちがえる姿がお目見えした。その目玉は、味気ないコンクリートだけの護岸ブロックから、表面に天然石をはめ込んだコンクリートブロックに替えたこと。天然石の利用で、豊かな自然と調和した環境美化に配慮を加えた景観保護対策用に使われたもの。これを機に、各地から受注が大量に舞い込み、その対応に追われているのは、日本ナチュロック(山梨県南都留郡西桂町倉見1378−1、社長佐藤悦三氏)。

・・・日本ナチュロックは、改修工事を手掛けた土木会社を通じて、山梨県から受注した。施工面積は延べ5,000平方メートル使われたブロックは計5万個。いずれも環境にマッチする天然石の甲州石(安山岩)を利用。同社では、西湖のほか、本栖湖、精進湖の護岸改修工事にも受注にこぎつけている。

・・・表面を天然石で覆うコンクリートブロックは、建物や周囲の景観を引き立てることから、河川・公園の築堤、土留め材料、土木・造園用などに需要が急伸中。これは自然景観保護の高まりという“追い風”を受けたことによる。同社の91年度の受注量は25万個。これに対し、92年度は能力いっぱいの50万個に倍増する見込み。“石”にかじりついてでもフル操業で対応する構え。