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1997年10月1日

BUFF'97 幕張 「生態系ピラミッド」出現

1997年10月1日 環境緑化新聞

BUFF’97幕張
「生態系ピラミッド」出現

今年で第8回を迎えたBUFF(建築・都市総合技術展)が「21世紀の家づくり・街づくり」をテーマに幕張メッセで9月17日から19日までの3日間開催された。会場には近年大きな課題となっている環境共生、景観創造、快適な空間を構築するさまざまな資材が展示されていたが、なかでも一際来場者の注目を集めていたのが、シンボルパークに日本ナチュロック(株)(東京本社・東京都港区赤坂7−6−43)が出展した巨大な生態系ピラミッドである。

日本ナチュロックでは、今回の生態系ピラミッドの展示を通して、ピラミッドのような三角形をしている自然界の生態系の実態を展示するとともに、決して生育環境のよくない砂漠のピラミッドでも緑化が可能であることを示した。また、21世紀へ向けたサスティナブル(持続可能)な開発のひとつの姿を提案したといえる。
BUFF会場に落ち着いた雰囲気を醸し出していた、この高さ4メートルの生態系ピラミッドの表面には、日本ナチュロックが新たに開発したナチュロックビオボード220枚が使われている。この製品はコンクリートと多孔質な天然石(溶岩)を複合させることにより、コンクリートのもつ強固な安全性を損なうことなく自然界の生態系の底辺にある植物や虫、小動物の生息空間の創出をめざし開発されたもの。
ナチュロックビオボードは、施工直後から植物が生長するまでの期間も溶岩が周囲の景観に馴染み、保温性、保湿性に優れ、都市のヒートアイランド現象の緩和も期待できる。また、施工も既存のコンクリート面を壊さず表面を覆うだけのため、廃材やごみ処理問題に頭を悩ますこともない。
ビルの壁面、屋根、屋上、外構等の修景から、河川の護岸、道路の擁壁等、幅広い用途に適用でき、周辺の生態系の影響を最小限に押さえたナチュロックビオボードは都市空間のなかにビオトープを生み出す新しい環境共生製品として注目される。
なお、今回展示した生態系ピラミッドは移動可能な構造になっており、今後モニュメント展示の要請にも応えていく方針。

全国ナチュロック会開催 9月18日
日本ナチュロック(株)は9月18日、BUFF(建築・都市総合技術展)出展に合わせ、幕張プリンスホテルで全国の技術提携会社を集め、全国ナチュロック会を開催した。
あいさつに立った佐藤悦三社長は「不況回復の遅れ、公共事業費の削減、コストダウンの要請等、厳しい環境のもと、時代に即した製品の開発こそが生き残りの道。BUFFに展示した新製品ナチュロックビオボードを使った生態系ピラミッドがこれからの資材・工法の方向性を示した」との認識を述べた。

その後、佐藤俊明専務による活動報告、各地の技術提携会社よりの報告を受け、?日本生態系協会総務部長・岩木晃三氏の講演に移った。「持続的発展の時代」をテーマに自然生態系の保護と土木事業の在り方をめぐる岩木氏の講演は参加者に大きな共感をもって受けとめられていた。写真注釈:日本ナチュロック東京本社外壁に施工されたビオボード。自然な風あいが無機的な空間に潤いとやすらぎを与える